IT業界で働いて20年、システムエンジニアについて、自分が働いて実際に感じた色々を書いてみました。特にこれからシステムエンジニアやIT業界で働いてみたいという方に少しでも参考になればと思ってます。
純粋システムエンジニアって意外と少ない!?

システムエンジニアはシステムの下記の工程を担っています。
要件定義 | 設計 | 開発 | テスト |
開発しか行わない人は主にプログラマ、テストしか行わない人をテスターと呼んだりします。
しかし、実際は、相関図のように、どの円にもぶつからないシステムエンジニアより、他の円に重なった仕事をしているシステムエンジニアは多く感じます。
- プログラマー寄りのシステムエンジニア
- プロジェクトリーダー寄りのシステムエンジニア
- ITコンサルティング寄りのシステムエンジニア
- 総務寄りのシステムエンジニア
システムエンジニアを数年やっている人と会話するとこんな返事が多いです。
今もバリバリ開発やっているの?
開発は他の人にやって貰って、自分はもっぱら、案件の管理ばかりやっているよ。
入社してしばらくは開発が多いですが、だんだん、開発より、小さな案件は管理まで任されるなど、プロジェクトリーダーではないけど、管理を扱うことはかなり多いです。
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扱うシステムの業種は大事
食品 | 建設 | 鉄鋼 | 機械 | 自動車 |
不動産 | 鉄道 | 航空 | 運輸 | 物流 |
教育 | 福祉 | 医療 | ホテル | 商社 |
銀行 | 農林 | 小売店 | 広告 | 玩具 |
印刷 | 官公庁 | 化粧品 | 放送 | 新聞 |
色々なものがIT化されている現在。特に絶対止めてはいけないシステムは社会インフラです。また、お金を扱うシステムは、絶対間違いのできないシステムです。そういった、大きな責任のあるシステムを扱う業種のシステムエンジニアはとても大変です。
どういった業種のシステムを扱うのか、または、どういった業種をやってみたいのか考えてみるのはとても大事です。

こんなお知らせ、よく見かけるかと思います。日中、みんなが使っている時間帯に止められないシステムの場合、こういった、夜中に作業することが多いです。
求人情報では、土日祝日休みってなっているけど、実際にこういったシステムの担当になった場合、その通りにいかないなんてことは良くあります。
メンテナンスだけでなく、24時間365日稼働するようなシステムの場合、夜中でもトラブル発生した場合、電話で起こされてそこから、トラブルシューティングなんてこともあります。

それだけ重要なシステムを扱っていれば、その分お給料も高かったりしますが、その反面、24時間365日、電話が鳴っては身を削るような思いをすることもありますので、担当するシステムってとても大事です。
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建設業界のような構造

IT業界も、建設業界のように、1次請け、2次請けと階層構造になっていると言われています。こういった構造により、下位に位置する会社は、しわ寄せを受けることが少なくなく、また、利益が少ないのを、沢山案件引き受けることで解消させようとするあまり、ブラック企業も存在するのが現状です。
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勤務地が転々とする!?

全部ではないですが、多くはプロジェクトが発生した場合、必要な人をアサインします。社員で用意出来ればいいですが、コストや、能力を毎回マッチした人を用意するのは難しいので、その都度、派遣や業務委託などでまかないます。
プロジェクトに人を送っている会社や業務委託で請け負っている場合、プロジェクトが終わると解散になったり、保守ではそこまで人数が必要ではないということで、メンバーを減らします。

プロジェクトのあるところへ、転々と人を送る会社だった場合、勤務地が1年単位で変わるなんてこともあります。
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独立系?メーカー系?ユーザ系?IT企業
独立系 | メーカー系 | ユーザ系 |
どこにも属さない会社 | パソコンやサーバなどの機器を作る親会社や関連会社がある会社 | 左記以外で、親会社や関連会社がある会社 |
文系出身も積極的に採用する会社が多い | 募集要項に理系の学校出身と記載されていることが多い | 文系出身も積極的に採用する会社が多い |
私は文系大学出身なので、募集要項を確認し、メーカー系は募集している会社が少ないので、独立系・ユーザ系を選択しました。
メーカー系とユーザ系は、親会社からのお仕事もあるので、安定性はあります。(メーカー系はコンペにも積極的に参加する企業多いです)
独立系は、基本コンペに参加して案件を取ったり、または、営業の人が仕事を取ってきたり、色々です。
私の場合、独立系にいましたが、仕事がすごく大変で、ユーザ系の会社に転職したことがあります。ユーザ系に行ったら楽になったというとそうではなかったですが、独立系ほど、コンペなどがなかったので、気持ちはかなり楽になりました。
検討している会社がどれに当たるのか、確認しておくことは大事です。
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プログラミングの仕事がなかなかない
IT業界も人手不足です。その中、注目されているのがプログラミングのところです。ここをどうにか、少ない人やコストを抑えるなどの試みが特にここ数年活発です。
- 請負業者等に開発の部分だけ依頼
- 海外に依頼

結果、プログラミングができると思って会社に入ったものの、開発部分は、他に依頼しているため、設計書を作り、戻ってきた検証結果を見るだけなんてこともあり、想像していた仕事のギャップにがっかりして、転職する方もいます。
新人が配属されるから、その子のために開発の仕事用意しておけなんて、上司に言われ、無理やり開発のお仕事を用意した経験あります。
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IT知識無くて働ける?
新卒入社の場合、素質で採用してもらえるので、面接時点でIT知識ゼロでも全く問題ありません。
中途採用も、業務知識を買われて採用されるケースやコンサルティングを主にする場合、いわゆるITリテラシーが低い方でも採用されることは多いです。
未経験歓迎となっている会社であれば、知識無くても、胸張って受け大丈夫です。
前述で書いた通り、開発部分は外に依頼しているなんてこともあり、管理する能力の方を問われることも多いです。
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まずはIT資格取得のための勉強することが大事
もちろん、合格するに越したことないですが、一緒に仕事をしていて、全く、IT資格を受験するための勉強をしたことがない人と、合格していないけど勉強していた人と会話すると、全く勉強したことない人は、本当に話が通じません。
働いていて、全く、IT資格持っていないし、勉強すらしない人は沢山いまして、まずは、合格しようと勉強する気持ちと行動が大事だと私は思います。
お勧めな資格は何か?
IT関係の資格は沢山あります。この資格を取らないと昇給昇格できないなんて会社もありますが、そうではない会社も沢山あります。

IT資格のなかで、ベンダー資格は、受験料が高額で、おまけに、合格の期間が設けられていて、定期的に試験を受けないといけないなんて資格もあります。高額な資格は、主に会社から補助などが出る方が受けるのがほとんどです。
私のお勧めは、ITパスポート、あるいは基本情報技術者です。情報技術者試験は国家資格です。また受験料も5700円です。会社で補助等が出る場合も多いです。
ITパスポートと基本情報技術者は、一般的に、実際に仕事をすれば、だんだん身についてくることが多いので、勉強しなくても合格するなんて言う人も多いです。基本情報技術者は、少し範囲が広いので、なかなか実務では学べないことも多く、私の場合、テキストを必死で覚えて、ようやく合格しました。
転職の際、保有資格欄に記載できますし、ITの基本的な知識は保持していますという証になります。合格の有効期限もありませんので、一度取得してしまえば、延々と履歴書に書くことができます。
※ITパスポートは、入門的な側面が強いことから、基本情報技術者試験よりは、効力は弱いことがあります。
※基本情報技術者試験も、CBT方式となり試験会場に行かなくても受験できるようになりました。コロナ渦もあり、より受けやすくなりました。
プログラミングをしないシステムエンジニアもいますので、続いて紹介します。
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社内SEって?
今は、IT企業以外でも、勤怠はシステムで管理したり、社内の手続きも申請書は紙ではなく、ワークフローシステム等を導入する企業は増えています。
会社の総務的な仕事も、ITの知識がないと、そういったシステムが導入できないということから、社内SEというシステムエンジニアの募集が近年増えています。
導入するシステム自体を開発する社内SEもいますが、システム自体は他社から依頼して導入するケースが多く、開発というより、オフィスの環境整備のお仕事などをします。
社内SEは、その会社のお仕事なので、転勤少ないです。一般的なシステムエンジニアに比べて残業時間が少ないと言われていますが、その部分は、あまり期待しない方が良いのではと思います。
- 社内システムでも、リリースするタイミングは定時後や土日
- ITリテラシーが低い人が、質問してもたらい回しに合い、最終的に行きつく場所みたいな存在になり、関係ない仕事が増える
転職で、転職会社の人と面談した際、残業時間が少ない方が良いと希望を言うと、100%の確率で、社内SEを紹介されます。
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インフラ環境も大事
システムエンジニアというと、プログラミングしてシステムを作るだけのイメージが強いですが、サーバを立てて、その中にシステムを入れ込むため、そういった環境構築がとても大事です。

サーバなどの環境専門の部隊を持つ会社もあれば、サーバから入れ込むシステムまで全部やるシステムエンジニアもいます。
会社によって違うので、転職先で、開発だけやるつもりが、サーバの用意から自分でやってなんていきなり言われて、戸惑う人もいますので、そういったところもちゃんと確認した方が良いです。
今話題のテレワークは?

一般的に、ほかの業界に比べて、IT業界はテレワーク率は高いです。しかし、セキュリティの問題やネットワークの問題で、会社に行かないと出来ない仕事もあります。
中小企業では、社長が、社員が働いている姿をこの目で見ないと心配なんて会社もまだあるみたいです。重要視するなら、事前に確認してから入社した方が良いです。
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システムエンジニアは手に職を付けられる仕事
色々なお仕事がありますが、システムエンジニアで培った仕事は立派な手に職を付けられる仕事です。
プログラミング言語は日々進化しており、気づけば、自分がやったことがあるプログラミング言語がなくなっているなんてことは良くあります。ただ、全くプログラミング経験ない人と比較したら、上達や理解は早いです。やっていた仕事の経験が無駄になることはないとこの仕事をして感じています。

手に職を付けられる仕事は他にもたくさんありますが、門は広いですし、また勉強する手段も沢山そろっていて、無料なツールも沢山あります。会社によっては、社内教育や会社負担で研修を受講したり、試験に合格すると報奨金が貰える場合もあります。自分のステップアップに、ぜひ、選択肢の中に入れて貰えたら幸いです。